傾聴と動機づけ面接の違い〜傾聴はありのままに感じ取る

久しぶりに参加したHさん

「OARS(オールズ)傾聴教室」は毎月2回開催、そのうち1回目は「傾聴」、2回目は「動機づけ面接(MI)」のセッション練習を行っています。

なぜ傾聴とMIの両方を行うのか。それは、どちらも役に立つスキルであり、また、お互いに関連しているからです。とはいえ、私が知るかぎり、傾聴とMIを交互に行なっている練習会は他にはないように思います。(もしあったら、ぜひ教えてください)

今回は傾聴の回でした。Hさんは久しぶりの参加でした。仕事が忙しく、HFCからもしばらく離れていましたが、嬉しいことに、また戻ってきてくれました。

さて、ここで面白かったのが、「傾聴のセッションでは何をやればいいのか」ということ。

もちろん、Hさんは対人援助職のプロとして働いているので、傾聴について知らないわけではありません。とはいえ、いざ「10分間の傾聴セッション」というときに、具体的に何をやればいいのか、少し気になったようでした。

私は、とりあえずの説明として、「MIと比べると、傾聴は方向性を持たない」と答えました。MIは何が変化の方向かを意識して行いますが、傾聴では方向は意識せずに、話し手の感情や考えをそのまま理解しようとします。
MIの練習メニューでいえば、傾聴は「方向性を持たないOARSの練習」(Nondirectional Practice with OARS)と似ています。

そうやって、今回は傾聴のセッションを行い、関連するディスカッションも終えました。

(感想)

・久しぶりの参加でしたが、自分が普段どのように話を聞いていて、それが相手にとってどのように感じられているのか、振り返る機会がなかなかないため、それだけに自分の癖や聞き方の強みの部分もフィードバックしていただけて、非常に新鮮でした。

・傾聴教室に参加しました。聴き手では、相手の表情から伝わる感情をフィードバックすることができました。話し手では、自分の気持ちを再確認することができました。いい学びの時間を有り難うございました。

翌日の散歩で〜傾聴とMIのちがい

翌日、近所の公園を散歩しながら、傾聴とMIの違いについて何となく考えていると、公園の木の鮮やかな緑が目に入りました。(写真はこのときに撮ったもの)

そこで浮かんだ、両者の違いについてのアイデアをメモしておきます。

まず、MIは支援者としていろんなことを考えることが特徴になります。草木を育てるイメージでいえば、「どの程度水をやったらいいのか」「肥料は」「その他注意点は」など、支援者が必要なアプローチを考えながら植物を育てます。

一方、傾聴はもっと純粋な接し方になります。「葉の緑」「光の当たり方」「かたち」「風に揺れる動き」「そこから聞こえてくる声(のようなもの)」……。それらをただ、感じ取ろうとします。目の前にあるものを、ありのままに理解しようとします。

いかがでしょうか。

もちろん、この例えは、傾聴とMIの違いを正確に、網羅的に説明しているわけではありません。両者の違いのニュアンスを感じ取ってもらえれば幸いです。

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